リングジャケットスーツのクリーニングをお受けしました。
当店でスーツをクリーニングする場合、
まず、石油系溶剤を使ったドライクリーニングで
皮脂汚れを落とします。
次に、水を使って汗汚れを落としていきます。
ドライクリーニングは型崩れの心配はありませんが、
水を使う際には、型崩れしないように注意しないと
いけません。
特に、このスーツの袖には
注意が必要です。
袖山に皺が寄っています。
縮んでこうなったのではありません。
イタリアのナポリスーツでは袖山に
皺がよっていて、これを「雨降り袖」
と呼び、ナポリスーツの特徴となっています。
このスーツを水に漬け込むと縫い糸が縮み
「雨降り袖」が崩れる可能性があります。
スーツ全体の水で落ちる汚れが酷い場合は、
水に漬け込むしかありません。
それほど汚れていない、または水に漬け込むと
型崩れしたり、色が激しく出る場合は、
当店では独自の工夫した洗浄方法で水を使って
お手入れしています。
汚れを完全に落とすために水に漬け込み、
スーツを型崩れさせるよりも、
型崩れさせないように必要最低限の
汚れを落とし、スーツ本来のシルエットを
守ることが大切であると当店では考えています。